インタビュー

TOPインタビュー 医療法人 三憲会 折尾病院 院長 原賀 憲亮

インタビューにお伺いした折尾病院は昭和39年今の場所に精神科・神経科の病院として開業され、現在は高齢化社会の到来に伴い老人医療の一翼を担うべく、地域精神医療に取り組んでいただいています。
今日はその三憲会折尾病院の「原賀 憲亮院長」にお話をお伺いいたしました。

🎤折尾病院は昭和39年開業ということですがおおよそ50数年の歴史を持つ病院ということですね。精神科の病院の中では古い方になるのですか?

北九州や京築にある精神科病院(日本精神科病院の会員病院では、中くらいの設立です。
当時ライシャワー事件があり、随分とマスコミにも取り上げられた問題なのですが、国の医療体制を改革し精神科の病院の開業を推進していったのです。私の父が開業したのもそんな時代背景からだったようです。

※ライシャワー事件  1964年(昭和39年)3月にライシャワー駐日アメリカ大使が当時19歳の統合失調症患者にナイフで大腿を刺され重傷を負った。この時に輸血を受け「これで私の体の中に日本中の血が流れることになりました」と発言し多くの日本人から賞賛を浴びたが、これがきっかけになり売血問題がクローズアップされ、その後日本において輸血用血液は献血により調達されることになる。この事件は「ライシャワー事件」と呼ばれ、精神衛生法改正や輸血用血液の売血廃止など、日本の医療制度に大きな影響を与えた。要するに国の医療体制に問題がある。と報じたんですね。 その問題を軽減するために、政府が今でいう補助金をだして精神科の病院の開業を推進したという背景があるようです。

🎤精神科・神経科というと具体的にどのような事を受け持たれているのでしょう?

精神科も受け持つジャンルがありまして、もちろん統合失調症の患者さんを診ることが主になるのですが、思春期の患者さんと高齢者ではまったく分野が違います。ですから同じ精神科であっても専門性があるんです。うちの病院は主に、高齢の患者さん治療にあたっています。
精神科というとなんか大変なところへ行くっていうイメージがあるかもしれないのですが、皆様の不安解消のお手伝いができればと思っているんです。
物忘れのご相談など、ちょっとしたことでもご来院いただければと思っていますよ。

🎤そうなんですね。意外とわからないんですよ「精神科」。高齢者の患者さんというとどのような症状でこちらの病院へいらっしゃるのですか?

施設の中やご家庭の中で対応が出来なくなった方々を受け入れています。
認知症やうつ病の患者さんが中心となっています。
認知症は脳の神経細胞が消失していき、脳の働きの1つである認知機能が急激に低下することによる病気だと言えます。
つまり日常生活に支障をきたす病気と言い換えることができます。
うつ病は、通常の場合であれば記憶障害は軽度です。
しかし、気分が落ちこんだり、趣味をはじめとするものごとへの興味や意欲を失ってしまったり、記憶力や判断力が低下するなどの症状が続くことがみられます。
また、うつ病では自分の状態に不安を感じるために、悲しさや寂しさ、空虚感、自殺願望などの感情的な障害が起こることがあります。

🎤認知症に関して言えば・・・家族が認知症なのかな?と思ったらどこの病院の何かへ行けばいいのか?迷われるかたも多いと思いますが?

「もの忘れ外来」や「認知症外来」などを掲げている病院やクリニックでしょう。
CTやMRIなどでの検査の結果、脳内に血の固まりが出来ていることで認知症と疑われる場合がありますが、その時は脳外科での手術が必要となります。
また、徘徊や粗暴的な行為など問題行動と言われている症状や、認知症と思っても、実は、うつ病が隠れている場合もあります。
私共、精神科ではそういう方を中心に治療していく事となります。
そして、病院を受診する場合、本人が嫌がっている時は、あまり、無理強いをしてはいけませんし、嘘をついてまで病院に連れて行くことは、避けた方が良いでしょう。認知症の治療は、長く時間のかかるものです。それには、ご家族の協力なしには、成立しません。
きちんと、本人にお話をしてみなさんで協力して来院していただく事が良いと思います。
受診の時は、ご家族や身内の方が同席していだけると、客観的な判断やご理解が出来るかと思いますので、とても助かります。徘徊や周囲に迷惑をかける行為についての治療は精神科でしょうね。

🎤精神科で良いのですね。ではどんな治療を?

症状を和らげるリハビリや投薬はもちろんなのですが、患者さんを抱えるご家族のお気持ちをはじめご家族のご負担とストレスは計り知れないものです。ですからとにかく患者さんだけでなく、ご家族の「話を聞くこと」を重視しています。
話を聞くことでご家族の気持ちを楽にしてあげられればと思います。
家族が上手に暮していくために症状の全般を見て患者さんの治療にあたります。
患者さんを取り巻く環境を含めて治療していくことが今の私たちの仕事なんです。現在は40歳から最高齢は102歳の患者さんが入院中です。

スタッフはお一人お一人に寄り添えるよう力を尽くしてくれています



※四季折々、共に楽しめる各種行事や音楽・スポーツ・陶芸・軽作業を通じて、社会生活機能回復を目的に、自発性や意欲を高めるための治療を行っています。

  • 音楽療法
  • 作業活動(園芸、ボランティア等)
  • 陶芸教室
  • 書道(毛筆、硬筆)
  • スポーツクラブ(ゲートボール、ソフトバレーボール、太極拳、
    ストレッチ体操等)
  • ペイントクラブ(絵画、工作、ぬり絵等)
  • 将棋クラブ
  • 料理クラブ
  • 買物クラブ
  • カラオケ
  • 多種目レクリエーション(卓球、トランプ、囲碁、将棋等)
  • カレンダー作り
  • 映写会

🎤認知症・うつ病とまではいかなくても、精神的に落ち込む事は多々ありますよね。そんな時の「落ち込み脱出法」を教えていただけませんか?

私は今ある自分を受け入れなさい。という事を推奨しています。
何かつらいとき人は誰でもそれを誰かのせいにしたいし、何か自分には関係ないことを理由にしたいものですよね。 体の不調についても何故よくならないのか、この薬が悪いのか・・・例を挙げればキリがない。
人のせいだけにせず、自分の悪いところやダメなところも認めてみること。
まずは現状を受け入れてみましょう。
例えば身体のこと・・・目が見えにくければ眼鏡に頼る。足が動きにくければ杖に頼る。
精神的に何かうまくいかないことがあったら・・・「こんなはずじゃない」と考えず現状を打破するために「今を受け入れ」どう考えればこの状況を打破できるのかを考えていけば良いのです。 「今の私・・駄目だよな~」でもまあ・・・今はしょうがないか(笑)
そう思うことで随分と楽になりますよ。

🎤そうですね~ 簡単なようで難しい事でもありそうですが・・・・確かに受け入れることの大切さを感じます。本当に勉強になりますね。では最後に先生自身の元気の秘訣を教えていただけませんか?

私は生まれも育ちも北九州。地元の友人とは変わらず仲良くさせてもらってます。何かと口実を作って集まってますよ(笑)
そんな友人と会って様々な話をすること・・・話を聞くこと・・・・
病院も地域にあった病床や治療法を望まれていきますが
北九州という地域を愛し、地域の友人と楽しみながら過ごすことが私の元気の秘訣です。

インタビューを終えて

精神科病院の院長様のインタビューと聞いてちょっと緊張していたのですが、とても穏やかにお話しいただきました。
そんな先生のお人柄でしょうか・・・スタッフの皆様もまたフレンドリーな雰囲気の方たちばかりです。そんな皆さんで運営されている病院なら安心して相談できますね。
高齢化が進む北九州で老人医療の必要性が急務。地域精神医療に誠心・誠意、和を基本の心として、思いやりの精神を大切にし、医療に専念していただいている先生方。  元気なおとなの町「北九州」になるために今後ともどうぞよろしくお願いいたします。お忙しい中、本当にありがとうございました。

 

アクセス


北九州市営バス 十字路バス停より徒歩1分
JR鹿児島本線 折尾駅よりタクシーで10分
JR筑豊本線 本城駅よりタクシーで5分
駐車場 14台分あり

医療法人 三憲会
折尾病院

〒807-0801
北九州市八幡西区本城三丁目26番18号

 



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