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郷土の歴史を知ろう! 郷土史家 菊池 満 先生

今・・自分の暮らす町の資料をネット閲覧サービス・・というのが注目されています。という記事が最近日本経済新聞に掲載されていて・・・そーなんだ~と俄然興味がわいた私でしたが、北九州に関する歴史・・知ってるようで、何も知らない(笑)

そこで、郷土史家であり、北九州市の文化財を守る会副会長でもいらっしゃる菊池 満(きくち みつる)先生をお訪ねしました。

本日お邪魔したのは、小倉北区鍛冶町にある森鷗外旧居

郷土史家・・といえばきっとご高齢の方だろうと・・勝手に想像していたのですが、菊池先生は36歳。とてもお若い先生でした。

 

🎤先生がとてもお若いので驚きました。 想像がつかないのですが・・・郷土史家とは、どんなお仕事なのですか?

若さで言えば、おそらく日本中で一番若い「郷土史家」かもです(笑)  北九州で私の次にお若いといえば・・・60歳以上になります(笑)

郷土史家の仕事は郷土の歴史を研究して、それを本にしたり、講演などで後世に伝える事が仕事です。 歴史家同士集まって研究発表をしたり、様々な集まりで歴史の話をしたり・・・ですね。

北九州は古代から(古墳も残ってますし)現代までどの時代においても興味深い史実が多い町なのです。いろんな場所で一般の方向けの勉強会や講座も開かれていますよ。

ただ…歴史家や郷土史家とかって、何をしたらそう呼ばれる事の定義はなくて・・・

作家さんと同じで世間の方が認めてくださって「そう呼ばれる」ということになるのでしょうね。 講演や執筆をおこなっていらっしゃるという事であれば20名程の歴史家がいると思われますが、同じ歴史史家でも、研究している年代も様々なんですよ。

ちなみに私の専門は、近世・近現代史。大きな戦争の前後だと思ってください。

例えば・・昨年12月に公開されて、今年6/17にDVDになった山田洋二監督の「母と暮らせば」っていう映画があったんです。その映画の歴史時代考証に携わり、資料提出などをしました。映画の最後・・エンドロールが流れる場面で「リサーチャー 菊池満」って出たときはオーって(笑)

母と暮らせば

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先日は土曜もアサデスの番組出演しました。それは戦時中の時代背景の解説。 このようにその時代考証や資料選び・提出も仕事の一つですね。

また、大学教えているのは、福岡地域学という総合的に福岡という地域を研究する学問ということになります。歴史を含めて地域を考えていくのですが、私が勤務している大学は西日本工業大学ですから、建築に興味をもって通学している学生です。建物には必ず時代背景がありますから、建物と歴史の関係については自分たちも学びたいと思っているようで、とても熱心に受講してくれていますよ。 それから・・北九州市のコミュニティFMラジオ局AIR STATION HIBIKIのパーソナリティも務めていて、毎月第2・第4火曜日に放送される郷土史の番組を担当してますので、ぜひぜひ聴いてみてください

 

🎤アラー、嵐の二宮君の映画ですね。おとなナビの事務所にも「大のニノファン」がいるので、エンドロールで先生のお名前探してもらいましょう(笑)・・それはさて置き、先生はなぜこの仕事を?

実は小倉には以前、 小倉陸軍造兵廠という施設があり、これは日本陸軍の兵器工廠でした。

その施設は戦後50年を節目に更地にして、国へ返還する。という事になったようで・・もちろん反対運動なども起こったのですが、私は兎に角、この事を何かに残さなければ・・と思ったんです。中学生の頃でした(笑)

建物は時代と共に生き、時代と共に壊されてゆく。ですから、私たちはこれを後世に残していかなければならないと思うんです。 

実際戦前と戦後では人々の考え方がすっかり変わりました。

 

例えば戦争を歓迎していた空気は一変し、戦後は当然のことながら戦争はやってはいけないものという考え方になりました。戦前と戦後では人々が感じる時代の「ものさし」が変わったんです。

小倉は軍と共に発展した町。小倉に12師団司令部が置かれた事が大きな意味を持ちました。沢山の部隊が配置されると人が増えるだけでなく、軍関係施設なども増え町が栄えていく訳です。 例外はありますが、旧城下町は軍と共に軍の町として発展していったんですよ。

主要な旧城下町の都市では、軍用地として使用された例 が非常に多い事がわかっています。そもそも軍は城の中に本部を置いたところが多かったんです。明治維新の前、大名は268名。そのうち城を持っていた大名は170。 平成の大合併前に約3000あった自治体のうち城郭(城跡を含む)で城を所有している自治体はわずか・・170という事になるんですね。お城のある町に住んでいることは特別な事なんですよ。

森鴎外がこの地にやって来たのも12師団の軍医として赴任したからです。小倉に12師団がなければ、北九州には縁もゆかりもない方になる訳です。

 

🎤そういう事ですよね。森鷗外は何年間、北九州にいらしたのですか?

森鴎外が北九州で暮らしたのは2年10カ月です。 ここ鍛冶町の屋敷には1年6カ月住んでいました。その後京町に引っ越し。東京の第1師団への転勤により、この地を離れました。

のちに小倉時代が一番楽しかったとも記述しているのですが、小倉に在住した間、鷗外は洋書の翻訳や通称「小倉日記」と呼ばれる日記をつけていました。「小倉日記」の中には、小倉にいた時の鷗外の様子や、当時の小倉の人々の生活の様子が詳しく書かれています。鷗外は、この家で「我をして九州の富人たらしめば」「鷗外漁史とは誰ぞ」等を書いています。また「独身」、「鶏」などの作品は鴎外の小倉時代がモデルになっていますし、「鶏」にはこの家の間取りなどの記述もあるんですよ。まだ読んだことがない方はぜひこの機会に(笑)

 

森 鷗外(もり おうがい、1862年2月17日(文久2年1月19日) – 1922年(大正11年)7月9日)
日本の明治・大正期の小説家、評論家、翻訳家、陸軍軍医(軍医総監=中将相当)、官僚(高等官一等)。位階勲等は従二位・勲一等・功三級・医学博士・文学博士。本名は森 林太郎(もり りんたろう)。
石見国津和野(現・島根県津和野町)出身。東京大学医学部卒業。
大学卒業後、陸軍軍医になり、陸軍省派遣留学生としてドイツで4年過ごした。
帰国後、訳詩編「於母影」、小説「舞姫」、翻訳「即興詩人」を発表する一方、同人たちと文芸雑誌『しがらみ草紙』を創刊して文筆活動に入った。
その後、日清戦争出征や小倉転勤などにより、一時期創作活動から遠ざかったものの、『スバル』創刊後に「ヰタ・セクスアリス」「雁」などを発表。
乃木希典の殉死に影響されて「興津弥五右衛門の遺書」を発表後、「阿部一族」「高瀬舟」など歴史小説や史伝「澁江抽斎」等も執筆した。
  • 生まれ: 1862年 2月 17日 · 島根県  没: 1922年 7月 8日 · 関東地方  学歴: 東京大学  映画: 山椒大夫

   森鷗外小倉時代の業績 森鷗外生誕150年記念 

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森鷗外 小倉時代の業績』(北九州森鷗外記念会、2012年)は池先生も関わって制作された書籍! 

 

🎤なるほど・・・なんだか興味がわいてきましたね~  興味がわいて来たら何から挑戦すると良いですか?

先ほども少しお話ししましたが、北九州の町はとても歴史のある街なんです。これを機会にぜひ興味を持っていただきたいんですが・・・まずは「郷土史跡ガイドブック」を手に取ってみてください。非売品ですが図書館に行けば貸出可能で、私も執筆者の一人です・・お勧めです!

ガイドブック 

それから北九州では講座や講演会が行われていますので、そこに足を運んでみるのも面白いと思いますし、歴史を学ぶバスハイクやウオーキングもやってます。バスハイクはいつも40~50名の参加者がありますねー。昔から歴史には興味があったけど、定年後活動参加される方もいらっしゃるし、参加してみて興味を持たれる方も・・・

是非気軽に参加してみてください。

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インタビューを終えて

小倉織のネクタイとポケットチーフがとてもお洒落な菊池満先生。 冒頭にも書きましたが、お若くてびっくり。小倉の歴史についてのお話はとても分かりやすくて、興味をひく内容でした。毎日暮らす町の中でついつい見落としているのですが・・・町の角々には多くの史跡やストーリーが点在しているのですね。ここ森鷗外旧居のなかは都会の街中にあるとは思えないほど心地よい風が吹き抜け、凛とした空気が漂っています。 まるでタイムスリップしたかのように・・・・

鷗外がここで執筆してたんだな~と思いながらペンを走らせる私(笑)

人々が築いてきた歴史の上に私たちは生きているんですね。大学・講師・執筆・・・中々お休みもない中、こうしてお時間をとっていただいたこと、本当に感謝いたします。私もまた、北九州の住人として北九州の歴史について学びたくなりました。

今日のインタビューで北九州歴史ファン・鷗外ファンが増えてくださるといいですね。 今後益々のご活躍をお祈りいたします。

 

菊池3

 

菊池 満(きくち みつる、日本歴史学者西日本工業大学非常勤講師(福岡地域学)、北九州市立年長者研修大学校周望学舎講師、北九州市の文化財を守る会の常任理事。

  • 専門は、近世・近現代史。
  • 西日本工業大学非常勤講師、北九州市立年長者研修大学校周望学舎講師、北九州市の文化財を守る会副会長。郷土史家として故郷の歴史や人物をテーマに数多く講演しています。専門は近世・近現代史。おもな著書に『森鷗外 小倉時代の業績』(共著)
  • 小倉陸軍造兵廠
  • 北九州市のコミュニティFMラジオ局AIR STATION HIBIKIのパーソナリティも務めており、毎月第2・第4火曜日に放送される郷土史の番組を担当
  • 共著


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