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特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホームとは、寝たきり状態など重度の介護を必要とする要介護者が、少ない費用負担で長期入所できる施設です。社会福祉法人や地方自治体などにより運営される公的な介護施設で、特養とも呼ばれます。

食事や排泄介助などの介護サービスを中心に提供する特別養護老人ホームは、寝たきり状態など常時介護を必要とする要介護者の「生活の場」であり、各種レクリエーションなども提供しています。

全国的に入居までの待機期間が長く、申し込みをしてもすぐに入居することは難しい状況です。しかし、入所した人の多くはそこで残りの余生を過ごすため、重度の要介護者にとっては「終の棲家」的存在です。

特別養護老人ホームが多くの方に人気がある理由のひとつが〝初期費用0円〟という点です。数十万円からときには数千万円もの入居一時金がかかる民間の老人ホームと比べて、初期費用がかからないというのは大きなメリットです。

利用料金の前払い制を採用している有料老人ホームのように、初期費用0円だからといって、その後の月額利用料金に上乗せされるようなことはありませんから、安心して入居できます。

ただし、特養は入居申し込みをしてすぐに入居できるわけではありません。入居難易度が高いために、申し込みをしてから半年~数年待機期間があるとも言われています。この期間に民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を利用するとしたら、その費用が特養の初期費用と考えられるかもしれませんね。

特別養護老人ホームへの入居では、利用する居室のタイプによって料金が変わってきます。従来型と呼ばれる古いタイプの施設では、定員4名などの多床室と呼ばれる相部屋があり、こちらは家賃が低額に抑えられていました。しかし2015年4月からは、介護報酬が改定されることによって相部屋にも家賃が同様にかかるようになります。

家賃の他に食費と介護保険1割負担額が必要。なおかつレクリエーションやおむつなどの日常的な消耗品、医薬品なども必要となり、これらには介護保険が適用とならないため、実費として相応の費用が必要になることは覚えておいてください。

一方で、所得などに応じて居住費・食費が減額される場合も。十分な年金を受け取っていない人が減額の対象になるケースが多いので、ケアマネージャーやソーシャルワーカーなどに相談してみると良いでしょう。

 

特別養護老人ホームの費用

 

特別養護老人ホームの入所には、初期費用の必要はなく、月額利用料が必要になります。月額利用料は、居室の設備、世帯収入や課税状況によって差があるものの、おおよそ5万~13万円程度と有料老人ホームよりも抑えられています。

※下記は目安となります

初期費用 必要なし

月額費用 5万~13万円

 

特別養護老人ホームの費用の考え方

特別養護老人ホーム(別称:特養)では、入所一時金などの初期費用は必要ありません。入所後に月額費用として、介護サービス費と生活費(居住費・食費・その他日常生活費)を自己負担することになります。

介護サービス費は、要介護度などによって異なり、要介護度が高くなるほど、高額に設定されています。また、施設の設備や職員の体制、施設で対応する処置やサービスなどに応じて、「外泊時費用」「看取り介護加算」などの介護サービス加算が発生し、その1割も自己負担となります。

生活費に含まれる居住費は、施設や居室のタイプによって決まり、多床室よりも個室の方が高く設定されています。また施設ごとに、その他生活費として、電話代や理美容代、新聞・雑誌などの項目・料金が設定されており、入所者自身は実費を負担します。詳細はケアマネジャーや施設に確認してください。

なお特別養護老人ホームには、地域密着型施設もありますが、費用負担の考え方は基本的に同じです。

 

特別養護老人ホームの月々の費用(目安)

特別養護老人ホームの費用は負担能力に応じて、入所者本人と主たる扶養義務者(配偶者・子供など)が負担することになります。

以下は、東京の特別養護老人ホームにおける自己負担額の例です。

 

特別養護老人ホームの月々の費用

従来型多床室の費用(30日換算、要介護3の場合)
内訳 利用料
居住費 ¥9,600
食費 ¥41,400
その他費用 ¥10,500
特別養護老人ホーム
サービス費
¥24,971
サービス加算 ¥1,567
合計 ¥88,038

ユニット型個室の費用(30日換算、要介護3の場合)

内訳 利用料
居住費 ¥59,100
食費 ¥41,400
その他費用 ¥10,500
特別養護老人ホーム
サービス費
¥26,009
サービス加算 ¥1,567
合計 ¥138,576

ただし本人および世帯全員が生活保護の対象であったり、年収が少なかったりすれば、居住費や食費は低く設定され、介護サービス費についても高額介護サービス費などの補助金が自治体から支給されます。そのため、実際の自己負担金額については、ケアマネや施設に確認しましょう。

特別養護老人ホームへの入所基準

特別養護老人ホームの入所対象者は、原則、要介護度3以上の65歳以上の高齢者という基本条件のほか、「長期入院を必要としない」「感染症などの疾患がない」など、地域や施設によって様々で、詳細は施設に問い合わせる必要があります。

年齢 介護レベル 認知症 共同生活 収入・資産
65歳以上 要介護3~5 対応 かなり必要 少ないと優先される

特別養護老人ホームで提供されるサービス

特別養護老人ホームで提供されるサービスは、介護職員や看護職員による入浴・食事・排泄の介護、機能訓練指導員や生活相談員によるリハビリテーション・カウンセリング、介護職員による掃除や洗濯、買い物やレクリエーションといった生活援助系サービスなどです。

胃ろうや気管切開への対応といった医療処置、重度の認知症などへの対応は施設によって様々で、寝たきり状態の高齢者に生活の場を提供するためのサービスが中心となっています。

生活の援助 身体の介護 身体の機能回復 医療処置

特別養護老人ホームの設備

特別養護老人ホームは、居室、浴室・トイレなどの共同設備、食堂と共同リビングを兼用する共同生活室などで構成され、居室内にはトイレやキッチンはありません。また特別養護老人ホームは、居室の仕様によって、個室がない「多床室」、ユニット(=10人程度の生活単位)が設定されない「従来型個室」、そしてユニットが設定され、ユニットごとに共同生活室が用意される「ユニット型個室」に分類され、それぞれ居住費やサービス費の料金が異なります。

現在、多床室や従来型から、1人で過ごす個室と仲間との交流が図れる共同生活室を備えたユニット型への切り替えを進められており、約半数がユニット型となっていますが、まだ3割以上が多床室となっています。

居室 食堂・リビング 浴室 機能訓練室
多床室と個室が半々 あり 機械浴室 あり
健康管理・相談室 洗濯室 居室内トイレ・キッチン 理美容室
あり あり なし なし

特別養護老人ホームの入所手続

特別養護老人ホームへの入所の申し込みは、各施設や行政の窓口などで行います。担当のケアマネジャーに入居を希望する施設への申込書を書いてもらい、窓口に提出する方法もあります(複数の施設への申し込みも可能です)。

それを施設スタッフや医師、行政担当者などで構成される委員会が、「要介護度」「介護の必要性」「介護者の状況」「待機期間」「資産や収入額」などから、総合的に判断して、入居の優先度を決定します。

特別養護老人ホームの入所難易度

特別養護老人ホームは、入所希望者が多く、平均在所日数が約4年と長いため、都市部では満室の施設がほとんどです。しかも厚生労働省や地方自治体は財源不足のために、特別養護老人ホームの新設を制限しています。2014年度の発表では、全国で52万人以上が待機しており、入所まで通常、数か月から数年程度の期間を要するといわれています。

入居を希望する場合には、待機人数や待機期間などを施設に確認した方がよいでしょう。

※厚生労働省「特別養護老人ホームの入居申込者の概況」(2014年)より。



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