おとな流 気になるニュースに迫る

おとな流気になるニュースに迫る 第12回「デパートはなぜ輝きを失っているか?」 楠田正博

みなさんこんにちは、おとなナビの楠田です。

本日は、第12回「デパートはなぜ輝きを失っているか?」

というテーマでお話しします。

日本最大のデパートグループ三越伊勢丹の社長が突如退任したとの情報が流れました。

[ミスター百貨店.三越と伊勢丹]

個別でも有名なデパ―トだったのに、これが合併して実力社長が頑張っても、業績は改善しなかったようです。

もちろん三越と伊勢丹の社風の違いと従業員組合の三つ巴の葛藤があったことは言うまでもありません。

最近は、東北に住んでいる時によく行った地方デパート「さくら野百貨店」も閉店してしまいました。

一体、デパート業界では今何が起こっているのでしょうか。

 

本日はデパートに関してのお話しをしたいと思います。

私のデパートとの最初の出会いは、今はもうありませんが、丸物(マルブツ)というデパートでした。

八幡東区の中央町に在ったデパートです。

中央町は、西鉄路面電車の小倉・門司に行く電車と、黒崎・折尾に行く電車と、戸畑に行く電車との乗り換え分岐点になっていたと記憶しています。

八幡製鉄所のお膝元として、大変な賑わいだったようです。

現在の中央町は、当時は中央区と呼ばれていましたので、私には中央区の方がしっくりきますが、まだ幼稚園に行くか行かないかの時ではないかと思います。

中央区に住んでいた母方の祖父母が、よく丸物に連れて行ってくれました。

特に丸物の屋上プレイランドは、もうかれこれ60年近く前のことですが、私にとっては夢の場所、正しくワンダーランドだったのです。

祖父母にせがんで乗った乗り物は、今でも鮮明に脳裏に蘇ります。

幼稚園前後の記憶は、ほんの幾つかしか思い出せませんが、それ程私にとっては衝撃だったのだと思います。

そして小学校に行き始めてからのデパートの記憶は、なんといっても黒崎の井筒屋です。

さすがに屋上のレジャーランドは活き活きとは蘇らず、鮮明に記憶に残っているものは食べ物です。

その一つはやっぱり大食堂ですかね。

年に数度でしたが、大食堂でお子様ランチを食べることは最高に幸せな一時でした。

その他に名前は忘れましたが、美味しそうな沢山のお菓子が回っている、計り売りの販売機が好きでした。

どれも美味しそうでどれを選んでいいのか分からず、「早くしなさい」と叱られていました。

ただ、子供心にあまり沢山かごに入れると、高くなってしまうだろうなと考えていたことも事実です。

これも名前は忘れましたが、小型の大判焼のようなお饅頭が、機械仕掛けで次から次に焼き上がってくるのを飽きずに見ていたことを覚えています。

機械のパーツの動きが面白くて夢中で観ていました。

最後に名前の焼き印を押すと出来上がりで、感心することしきりでした。

私の機械いじり好きと、機械工学を目指したのもその辺りにルーツがあるかも知れません。

このように思い出の詰まったデパートが、どんどん合併したり閉店していくのは寂しい限りです。

 

なぜそうなるのでしょうか。

デパートの歴史からひも解いていきましょう。

そもそもデパートはどこで生まれたのでしょうか。

世界初のデパートは1852年にフランスのパリで産声を上げた「ボン・マルシェ」だと言われています。

 

それから約50年遅れて、日本にも最初のデパートができました。

1905年に東京は日本橋の三越呉服店が、デパートメントストアを宣言したことが始まりのようです。

 

その後エスカレーター、エレベーター、スプリンクラー、全館暖房、ライオン像などが導入され、国民の憧れ、豊かさの象徴として発展していきます。

1920年代には、阪急百貨店のような鉄道系のデパートが、ターミナルデパートとして開業していきます。

高級ブランドの衣料品、宝飾品等々に加えて、レジャーランドや大食堂などでデパートは人の集まる小売業の主役でした。

 

1950年代に強敵が現れます。

1956年に小倉で産声をあげた「丸和フードセンター」スーパーマーケットの登場です。

価格を抑えた「長崎屋」のような地方のデパートも出現していきますが、1972年ついにスーパーダイエーが、三越の売上を抜きました。

スーパーマーケットの拡大・発展にはすさまじい物がありました。

 

1990年代のバブル崩壊から、無料駐車場のある郊外型ショッピングセンターやアウトレットモールなどができていき、コンビニの登場もあってデパートは衰退していきます..

少し遅れてダイエーのような何でもありのスーパーも衰退していきます。

結果的に現在は一部地方デパートを除いて、4大デパートに集約されました。

ご存知の三越・伊勢丹グループ、大丸・松坂屋グループ、高島屋・阪急阪神グループ、西部・そごう・イトーヨーカ堂グループです。

更に最近追い打ちを掛けるように、インターネットショッピングが簡単にできるようになり、4大デパートグループの業績も悪化していることが、三越伊勢丹社長交代の理由の一つとなったようです。

 

物が溢れる時代に生まれた人たちには、ショッピングの楽しさというか「ときめき」がなくなってきているのかも知れませんね。

最近はデパートには足を運んでも、商品のチェックだけしてネットで買う人も増えているそうです。

ただデパートの中で、本当にデパートが衰退しているなんて思えない場所があります。

そうですデパ地下というか食料品売り場です。

特に北海道展など企画展では、人でごった返しています。

さすがにネットでは買いにくい商品ですね。

 

私の母もそうでしたが、父が他界した後は運動のためと言って、毎日デパートと商店街を歩いていました。

私も何度も同行しましたが、だいたいルートが決まっていて、歩きながらお店の人やたまに友人とおしゃべりをして、買い物をして廻るのです。

休む場所も決まっていたようです。

 

ショッピングは歩きますし、商品を見比べ、買うかどうかの決断をします。

またおしゃべりもし、お金の計算もしますので、母にはとても良いことだと思っていました。

ショッピングは疲れますから、私はあまり好きではありません。

ただ疲れるということは、それだけ運動になっているということです。

特にショッピングがあまり好きではない男性陣にも、参考にしてもらいたいですね。

 

総務省が進める「連携中枢都市圏構想」をもう少しブレイクダウンして、身近なショッピングエリアを残していかねばなりません。

またデパ地下の賑わいのように、デパートやショッピング街、商店街なども工夫を凝らして輝きを取り戻し、多くの人が足を運びたくなるような努力をしてもらいたいものです。

 

どうしたらよいかはよく分かりませんが、キーワードは「子供たち」ではないかと感じています。

子供たちが現在のデパートにときめきを感じているでしょうか。

少なくとも私の孫たちは感じてないと思います。

 

私の体験のように、小さな子供たちを中心にして家族を取り込む、子供たちがときめく工夫ではないかと漠然と考えているところです。

 

さてみなさまはどう思われたでしょうか。

 

楠田正博



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