おとな流 気になるニュースに迫る

おとな流気になるニュースに迫る|第20回「感動の相続とは? 今相続税が狙われている」

みなさんこんにちは、おとなナビの楠田です。

 

本日は、第20回「感動の相続とは? 今相続税が狙われている」
というテーマでお話しします。

 

相続と言うとみなさまは、最初に何を思い浮かべますか?
兄弟姉妹が、相続をめぐって血みどろの争いをする話は、小説や映画の世界だけではないようです。

 

実は、人生相談などでも相談が寄せられている身近なものなのです。
介護したとかしないとかでもめるケースも多いようですね。

 

相続税に関する動きが最近目立っていますので、少し現状を見ながら考えてみましょう。

 

2015年の1月から、相続税の基礎控除額が下がって、実質的には増税となりました。
更に後で説明しますが、今年2017年から課税対象額の最高税率も50%から55%に引き上げられています。
また被相続人と相続人が、5年間海外移住していれば、海外での資産に対する相続税はかからないとのことでしたが、今年の4月から、5年間でよかった移住期間が10年間の移住に延長されています。

 

どういうことかと言いますと、例えば老夫婦が、定年後5年間相続税が不要なシンガポールに海外移住します。
そしてせっせと日本から資産を持ち出してシンガポールに移せば、実質的に相続税を支払わなくてもよくなるという制度です。
相続完了後、相続者が日本に戻って来ても、シンガポールの資産から相続税を支払う必要はありません。

 

この制度が適用される海外移住期間が10年間必要になったということです。
慣れ親しんだ日本から相続税のために、10年間も海外移住する人は少なくなるだろうと予測しています。

 

ただ税金の取り方が違うため、世界には相続税が存在しない国が、けっこう沢山あることが分かりました。

 

その辺りをうまくついた節税やサギ事件が報道されることも、しばしばあるようです。

 

このような一連の動きは、増加する高齢者から少しでも税金を取ろうとする意図が見え隠れしますよね。

 

更にここにきて維新の会前大阪市長である橋下徹氏が、相続税の増税を提案しています。

 

目的は教育の無償化とのことで、特に大学や大学院などの高等教育を無償化したいと言うことです。

 

大学や大学院で借りた奨学金が返せないとの話が、社会問題化していますので、考え方の方向としては良いことではないかと思います。

 

ただ、その財源として相続税の増税を想定いているとのことですが、さて相続税の増税はいかがなものでしょうか。

 

本日はこの相続税について考えてみたいと思います。

 

私はこれまで相続を受けた経験がありませんし、これからも相続税を払う機会はないと思いますが、税の専門家ではありませんので、思い違いがあるかも知れないことはご理解ください。

 

いったい相続税とはいったいどのような税金なのでしょうか。

 

相続税とは、1905年(明治38年)に日露戦争の戦費調達のために導入されたようです。
終戦後1950年(昭和25年)に財閥など富の集中排除機能を備えた税制として法制化されました。

 

現時点での【課税対象額】の計算式は、
3,000万円+相続人の数x600万円=「基礎控除額」
相続財産の合計額-「基礎控除額」=【課税対象額】となります。

 

現時点では兄弟2人が相続する場合は、相続財産の合計が4,200万円までは無税となり、それ以上から課税されることになります。
ちなみに2014年までは、7,000万円まで無税でした。

 

またこの【課税対象額】が多いほど税率が高い累進課税になっています。
そして前述の、累進課税の最高税率が50%から55%に引き上げられたと言うことです。

 

また不動産をお持ちの方は、不動産の価値も課税対象になりますので、その価値を算出する必要がでてきます。
これがよく話題になっている、相続する不動産の価値が高くて、膨大な相続税が必要となるため、手持ちや相続した現金では払えずに、不動産の一部を売らなければならないという話につながります。

 

代々受け継がれてきた土地や邸宅を、相続税のために売らなくてはならない人も大変だろうなと、つい同情してしまいます。

 

ご心配の方は、不動産の実勢価格を算出する「不動産無料査定サイト」もネット上にはありますのでご活用下さい。

 

そもそも自分が頑張った証として、土地や家や資産を、子孫に残してやりたいという気持ちと、貧富の差を固定化しないように、努力した者が報われる平等な社会を作りたいという気持ちがバランスするような法律にすべきだと感じています。

 

相続税そのものではありませんが、私が相続について考えさせられた話がありますので、ご紹介しておきましょう。

 

私が、ある企業で研究開発をしていた時のお話しです。

 

直接仕事の関係はありませんでしたが、有名な大企業から開発管理部門の課長がお見えになり、東北の工場を案内した時のことです。

 

無事視察が終わって、夕食でもということになり、イタリアンのお店で軽く飲んで会食をしました。
年齢は私と同じくらいで、背が高くセンスの良い服装をしておられました。
会話の中から、生れも育ちも良くエリートであることが窺がえる会話が続きました。
腕からは、ローレックスの腕時計も見え隠れしています。
私は、あまり親しみを感じずに、それなりの接し方でお見送りしました。

 

それから何ヶ月かして、再度お会いすることになりました。
私は気が進まなかったのですが、仕事と割り切ってご一緒しました。
場所も駅に近くて早く帰れる、前回と同じイタリアンレストランとしました。
接待としては低ランクのお店でした。

 

徐々に打ち解けてきてはいたのですが、彼はぼつぼつと話し始めました。
この話を聞いて私は一瞬で彼が大好きになりました。

 

「私はすべてに恰好を付けているように見えるでしょう?
このローレックスの腕時計もそうなのですが、最近おばあちゃんが亡くなった時に、私にも相続があったのです。
すぐ使ってしまうこともできたのですが、大好きだったおばあちゃんといつも一緒に居られるように、もらった相続の全額を使ってローレックスの腕時計を買ったのです。
そんなに恰好をつけているのではないのですよ。」

 

私もおばあちゃんが大好きで、今でもたまに夢に出て来てくれたりしますが、二人でおばあちゃんの思い出を篤く語り合いました。
その日を境に、私達は仕事の関係以上のものになっていきました。
私の開発商品の仕事を、普通では考えられないほどバックアップもしてくれました。
私にしてみれば、忘れられない思い出であると同時に、相続と言うことを初めて身近に意識した思い出にもなりました。

 

現在は、若い人たちに比べて、高度経済成長期に活躍した高齢者に富が偏っています。
ただ、全ての高齢者が富を持っている訳ではないので、消費税のように薄く広くではなく、基礎控除額を超える資産を持つ富裕層から相続税の形で徴収することは、間違っていないような気がします。

 

ただ色々なケースがありますので、税金とは難しいものです。
一度所得税を払ったお金なのに、また税金を取られるのは納得できないとか、個人事業の伝承ができないとか、相続税のために自宅や土地を売らなければならない場合があるとか、問題がないわけではありません。

 

子孫に対する思いと、貧富の差を固定化しないバランスを十分考慮して決定して欲しいと思います。
また橋下氏の言うように教育無償化などに役立ててもらっても良いでしょう。

 

ただ私は、お金や資産の相続だけではなく、やさしさや愛情、思いやりや価値観など精神の相続が重要ではないかと思い始めました。

 

しかも精神の相続には相続税は不要です。

 

私が両親や祖父母から教えられたこと、尊敬する方々からご指導を受けたことは、無償だったことをあらためて意識しました。

 

「子孫に美田を残さず」という言い伝えもあるように、子孫や後進に私たちの精神を相続することを優先して、資産の相続はおまけのようなものと割り切った方が良いのではないかと考えた次第です。

 

このような考え方が、みなさまのこれからの人生に少しでもお役に立てば幸いです。

 

日本を豊かで素晴らしい国にするためにも、私たちは精神や愛情、そして絆の相続も常に考えておいた方が良いように感じました。

 

さてみなさまはどう思われたでしょうか。

 

楠田正博



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