おとなの脳トレ

認知症市場での注目企業:ツムラ

加齢は認知症の危険因子のひとつです。

団塊世代が75歳を迎えて後期高齢者となる2025年には、
日本の高齢者の5人に1人は認知症という推計を
厚生労働省が出しています。

超高齢社会を迎えた日本が、
認知症という重大な社会問題に直面しているのは、
ある意味必然といえます。

認知症のメカニズムには未解明のところがあり、
今のところ根本的に治療することは不可能です。

しかし、日本社会に暗い影を落としている認知症問題に対して、
さまざまな業種の企業が解決に向けて商品やサービスの開発に
心血を注いでいます。

企業にとって認知症市場は現代のフロンティアともいえます。

画期的な商品やサービスが開発できれば、
今後市場を牽引していくリーディングカンパニーとして
成長できるチャンスでもあるからです。

前置きが長くなりましたが、
認知症市場において注目企業を取り上げ、
その取り組みを詳しくみていきたいと思います。

今回取り上げる企業は「株式会社ツムラ (4540)」です。

大手漢方薬品メーカーとして知られているツムラ社は、
認知症市場において隠れたヒット商品をもっています。

それは同社の医療用漢方製剤の中で
売上高第二位の「抑肝散(よくかんさん)」です。

漢方では「肝」が高ぶると、怒りやイライラが現れると考えます。

抑肝散は、その肝の高ぶりを抑えることから
名づけられた漢方薬です。

主な効能や効果としては「神経症、不眠症」で、
医療機関では認知症の行動・心理症状(BPSD)の薬として
広く処方されています。

BPSDはすべての認知症患者で見られるわけではありませんが、
認知症患者を介護する家族にとっては悩みの種です。

その症状が落ち着くことで、
患者本人や家族が穏やかに過ごせる時間が増えることになり、
介護する側のストレスや負担を減らすことにつながります。

抑肝散がどれほど注目を集めているのかを、
抑肝散の売上高の推移から知ることができます。

ツムラ社の決算資料によりますと、
2004年度は1億4,500万円の売上高に対して、
12年後の2016年度は73億3,000万円と、
約50倍近く売上を伸ばしています。

抑肝散は同社の屋台骨を支える薬に成長しましたが、
認知症患者の増加が予想されている日本全体においても
なくてはならない薬といえます。

ただ、抑肝散は時代の流れだから何となく
医療関係者から注目を浴びたわけではありません。

そこにはツムラ社の真摯な経営戦略があります。

ツムラ社は2004年度から「育薬」を推進しており、
それが漢方薬には見向きもしてこなかった
西洋医学の医師を振り向かせることになったのです。

育薬とは、医療ニーズは高いが、
新薬開発に苦戦している病気の中で、
漢方が効果を発揮しやすい分野に的を絞り、
エビデンス(科学的根拠)の確立を目指す
同社の取り組みです。

抑肝散が認知症の薬として
医療の現場に広がりはじめたのは2005年ですが、
同年に東北大学が「BPSDの改善効果が期待できる」と
臨床論文を発表したのがきっかけでした。

認知症への効能をうたう商品やサービスの中には
エビデンス(科学的根拠)が不十分なものがあります。

ツムラ社はそれらとは一線を画し、
医療関係者が受け入れやすいように
科学的なメカニズムの分析に注力したことが、
同社製品の爆発的な売上増を実現したと考えられます。

同社の抑肝散は、今後もさらに売上を伸ばしつつ、
認知症患者のBPSDに悩まされる介護する家族の負担を
和らげていくことでしょう。

なお、抑肝散は漢方薬局や通販でも購入可能となっていますが、
まずは医師、薬剤師などに相談されるのをおすすめします。

————————–
【参照】
株式会社ツムラ <http://www.tsumura.co.jp/>
東北大学加齢医学研究所 <http://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/geriat/>
(参照 2017/08/22)

 03-6441-0043[ 平日10時-18時 ]


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